★2016年月から会場が、品川産業支援交流施設SHIP「大崎ブライトコア4階」に変更となります。
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『ダイバーシティ時代の管理職の人間力アップの必要性』
早いもので、今回が2015年最後の研究会となりました。11月の研究会は「ダイバーシティ時代の管理職の人間力アップの必要性」をテーマに実施しました。時代の変化とともに、会社や人の意識も変わらなければならないこと、管理職の人間力がアップすると組織にどんなメリットをもたらすのかなどを、参加企業メンバーで共有しました。
概要は次のとおりです。
*第1部* 13:30〜15:00
・植田ミニ講義
・事例発表(質疑応答含む)
*第2部* 15:20〜16:30
・オブザーバー、事務局からのお知らせ
・グループディスカッション
当日は13社15名(オブザーバー含む)の方にご参加いただき、植田の講義、生活協同組合連合会コープネット事業連合 人材開発部 教育研修課長 太田邦江さんの事例発表、そして第2部のグループディスカッションと、本音ベースの対話が繰り広げられました。 以下、今回の研究会の内容について、それぞれ一部分をご紹介します。
*主宰者によるミニ講義*
事前に集計した22社のアンケート回答では、管理職の企業戦士度、オールドキャリア度(昭和度)が「高い」との回答が95%となり、多くの管理職が昭和を引きずっていることが明らかになりました(高い54%、やや高い41%)。彼らの部下にあたる20代30代で、メンタルを病む人や辞めてしまう人が「いる」と回答した企業は85%でした(いる33%、ややいる52%)。40代でもいる、増えている、減らないとのコメントもありました。心の病、離職の原因はさまざまだと思いますが、組織風土や上司の言動が少なからず影響を及ぼしていると考えられます。
管理職に対するモチベーションマネージメントや人間力に関する研修を「やっている」と回答した企業は45%で、計画中9%と合わせると、回答企業の半数以上で取り組んでいることがわかりました。また、研修後の管理職自身に良い変化が「ある」と答えた企業は43%でした(ある24%、少しある19%)。この結果について、植田の実感値として、女性の研修に比べると極めて低いという印象のようです。
管理職に対する研修、教育の必要性は「ある」との回答が100%でしたが、研修を行う上で課題や問題があるとの回答が90%でした(ある57%、少しある33%)。具体的には、売上数値に関する研修の方が優先順位が高い、研修時間の確保が難しい、出席率が悪い、研修の必要性を感じていないなどがあげられました。研修の必要性があっても、実現するまでには多くの問題があることがよくわかりました。
植田からは、女性活躍推進、ダイバーシティ推進講演で使っているスライドを用いながらのミニ講義がありました。時代が変わったのに、会社も人の意識も変わらないままの組織を「昭和タイタニック号」と名付け、変わらなければ沈没していくと解説。そのまま沈むか、逃げ出すか、あるいはみんなで立て直すか。社員1人ひとりの意識を変えて、昭和体質を変えることが強い組織づくりにつながると言及しました。また、ニューキャリア時代に求められる管理職像や意識改革のための研修企画のポイントを解説しました。「昭和な企業戦士管理職の下では女性も男性もつぶれる」「男性管理職が研修を受けるときは女性部下が一緒だと心が開きやすい」「男性のDNA入れ替えには2日必要」など、植田が過去に多くの企業で研修を行ってきた経験からの言葉は、説得力があり、参加者の心に響いていたようです。
*事例発表*
今回の事例発表は、「ダイバーシティ時代の管理職の人間力アップの必要性」をテーマに、コープネット事業連合 太田さんに発表いただきました。太田さんは、1987年にさいまたコープ(現コープみらい)に入職され、スーパーマーケットでのレジ、お客様相談室などの現場経験を積みながら男女共同参画推進担当に従事。その後、2002年に人事教育部教育担当に携わり、結婚、出産、育児休職など女性ならではのワークライフバランスの変化を体現されてきました。2004年からはコープネット事業連合に出向され、人材開発部教育研修課長として、コープネットグループに所属する1都7県の職員に対する教育に携わっていらっしゃいます。その中から、今回は2007年度から延べ41回開催されている管理職教育としての「モチベーションリーダーシップ研修2日間コース」を中心にお話しいただきました。研修導入の背景には、異なる文化で育ってきた職員が同じ研修を受けることで、統一した理念、ビジョンを体感し、日常では関わりの少ない他の生協の職員同士で語り合う場を設けることで組織力を強めたいという思いがございました。出身生協の違いだけではなく、性別、雇用形態、年齢、価値観などが異なる人々、その違いを理解し、認め、寄り添い、支援することを体現できるセミナーを通じて、多くの変化が見られているとのこと。9年間継続してきたことで約800名の管理職の方が受講され、セミナーで身に着けた様々な気づきは共通言語、共通認識となって現れてきているそうです。研修後のアンケートでは、「人によって心のエンジンは違う。互いに尊重しあうことが大切だと思った。」、「部下を理解しようとしなかったのは自分自身だった。」など、自分と相手は違うということを認めるあうことで、お互いを尊重することができ、相手の話を心で聴くことで、信頼関係が構築できることを感じていただけたそうです。
また、宅配事業部門で行われた「女性活躍タスク」の取り組みについても発表いただきました。6回の会議の中で、「生協らしさって何だろう?」、「10年後もイキイキ働き続けるために、こんな職場にしたい」などをテーマに答申策定を行ったそうです。この会議には、若手女性職員9名に加え宅配事業の執行役員、部長、地区長、人事教育執行役員、部長、事務局が参加することにより、自分たちの成長を真剣に考えてもらえていることが感じられ、回の終わりには、「事業所長になり、活躍したいという気持ちが湧いてきた」という思いが伝えられたそうです。太田さんの発表からは、人材教育に対する熱い思いが感じられ、この熱い思いがあるからこそ、研修が継続され、組織風土の変化へと繫がっているのだと感じました。
*グループディスカッション*
主宰者の植田と発表者の太田さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。
前半は、昭和に染まったバブル世代の意識をどう変えたらよいか、どの層に施策を打つのが効果的かといったテーマで意見交換がなされました。また、経営陣の理解を得る秘策について、太田さんがどのように進めているかをお話しいただきました。「信念」を持ち、上に突き返されてもあきらめず、この人を攻略するにはどうしたら良いかを考え行動する、というお話が印象に残りました。そのほか、女性活躍タスクに関する質問も多く出ていました。
後半は、男性管理職の意識がなかなか変わらない(変われない)背景や要因について、植田の話を中心に展開しました。男性は「過去と今」を見ており、女性は「今と未来」を見ている。男性の多くが過去の栄光を引きずり、なかなか変われないのも頷けます。植田の講演聴講者の中には「今までの俺のやり方で何が悪い」「もう一度昭和の栄華の時代が来ないかな」という男性管理職がいたこともあるそうです。これも過去を見ている男性の象徴的なエピソードだと思います。研修・講演を積極的に受講する人は、もともと人間力のある人。必要ないという人ほど本当は受けなければならないので、企業としては悩ましいことと思いました。
次回の研究会は、2016年1月12日(火)「女性活躍推進、ダイバーシティ推進の現状と今後」と題して行う総会です。2015年の活動を振り返るとともに、今後の課題・目標などを参加者全員で共有します。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。
文責:株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨 キャリアコンサルタント 山岡正子
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『総合職への職種転換&女性のためのロールモデル(40代、50代)の私たちができることは』
今回より、新しい会場での研究会です。会場は大崎のミーティングスペース バルブ。この日は爽やかな秋晴れで女性だけの研究会となりました。会場は華やかで明るく、まさしく女子会のようでした。そして、今回は富国生命保険相互会社 人事部 ダイバーシティ推進室 室長 金子こずえ様、主任 竹下順子様、事務企画部 専任部長 昌宅由美子様、お客さまサービス部 お客さまサービス推進グループ 副長 後藤尚子様に『総合職への職種転換&女性のためのロールモデル(40代、50代)の私たちができることは』のテーマで発表していただきました。研究会は、下記の通り、2部構成で進行しました。
* 第1部
・ 植田ミニ講義
・ 事例発表(質疑応答含む)
* 第2部
・ グループディスカッション
以下、今回の研究会の内容をご紹介します。
*主催者によるミニ講義*
今回、アンケートに回答いただいたのは28社です。その中で、現在も一般職の採用をしている企業は36%。一般職であっても管理職になれると回答した企業は57%と、半数以上の企業が総合職ではなく一般職であっても管理職になれるチャンスはあるようです。ただ、一般職の女性たちに多い年代は40代が28%と多く、職種転換や昇進のチャンスが与えられていても、それをどのように捉えるかは個人差が大きいようです。では、一般職の女性たちに対して、キャリア教育や研修、キャリアカウンセリングを行っているのでしょうか?「行っている」25%、「少し行っている」14%と、フォローアップの機会が十分とは言えない実情が見えてきました。では、一般職に限らず45歳以上の女性社員たちの実情はどうなのでしょうか?企業の中で45歳以上の女性の割合は「11〜30%」が43%、「31〜50%」が14%とかなりの割合を占めています。その女性たちのモチベーションは「高い」と感じる企業は0%、「やや高い」が11%。「人による」との回答が75%と非常に多く、責任のある業務に携わっているかどうかもモチベーションに大きく影響しているようです。なかには、「ほとんどが未婚のため、モチベーションに関係なく継続的に働くことが必要」といった生活のために働くだけで自分のキャリアを描けない女性たちも少なくないようです。
そんな45歳以上の女性たちの存在は20代30代の社員にはどううつっているのでしょうか?ワークライフバランスを意識しつつ管理職として活躍している女性や後進を育てようとする女性、ぶれることなくしなやかに仕事をしている女性たちは若い世代のロールモデルとなっているようです。しかし、反面教師になってしまっている女性たちも57%(たくさんいる11%、少しいる46%)と多いことが明らかとなりました。反面教師になっている女性たちは大きく分けると2パターンに分けられます。男性同様にバリバリ働くガンダム独身女性管理職、または昭和の時代のまま変わりたくないとチャレンジせずに向上心に欠ける人です。45歳以上の女性たちが入社したころの日本の時代はまさしくオールドキャリア時代。現在のニューキャリア時代に組織が変わり、企業の女性の育て方が変わっても、女性たちの意識は変わらない、いや変えたくない人も少なくないのでしょう。しかし、50歳から素敵な働き方、生き方をしていくためにも、40代【責任】・50代【貢献】という使命を意識し、昭和感覚から卒業し平成ダイバーシティ時代の生き方に気づき、変化していくことが必要なのです。
だからこそ、45歳以上にはキャリア研修が必要不可欠なのです。
*事例発表*
今回は、『総合職への職種転換&女性のためのロールモデル(40代、50代)の私たちができることは』というテーマで富国生命保険相互会社 人事部 ダイバーシティ推進室 室長 金子こずえ様、主任 竹下順子様、事務企画部 専任部長 昌宅由美子様、お客さまサービス部 お客さまサービス推進グループ 副長 後藤尚子様に発表いただきました。発表いただいたこの4名の皆さんの仕事もしつつ、家庭に子育てにイキイキとしている姿は、若い女性社員たちには本当に心強い存在でしょう。
なかでも、金子様、昌宅様、後藤様は、今回のテーマである一般職で入社し総合職に転換したご経験をお持ちなのです。一体、皆さんがどんなキャリアを積まれてきたのかも興味津々です。
富国生命保険相互会社は、大正12年創立の歴史をもち、ご契約者の利益擁護・社会への貢献・働く職員の自己実現を経営理念に持つ、対面営業に力を入れている会社です。
まず、トップバッターとして発表いただいた金子さんは富国生命保険相互会社にバレーボール枠で入社。その後総合職に転換した2人の子を持つワーキングマザーです。富国生命保険相互会社では、社長自らが女性活躍推進フォーラムの発起人となり、女性の活躍に力を注いでいます。女性総合職主任以上研修会・女性管理職勉強会などの管理職向けだけにとどまらず、一般職でも副長(係長クラス)までは昇進できるように制度を改正したり、育休中の社員を呼んでのランチ交流会などを開催。フコクファミリーデーでは、社員の子どもたちも参加することができます。また、このファミリーデーを利用して大人向けの乳がんセミナーを開催し、女性社員にとってはとても身近な病気だったためにとても好評だったそうです。
次に発表いただいたのは昌宅さん。一般職から総合職に31歳の時に転換されたワーキングマザーです。昌宅さんは、障がい者雇用の推進・受け入れ環境の整備に尽力してこられました。3年間で掲げた障がい者雇用の目標を達成し、その貢献が千葉県で認められ、「笑顔いっぱいフレンドリーオフィス」に認定されているほどです。
竹下さんは二人のお子さまの子育て真っ最中のワーキングマザー。竹下さんからは、平成23年に仕事・子育て応援ガイドを、先輩パパ・ママの経験談や制度などの難しい内容なども噛み砕いて分かりやすい文章にこだわって作成されていることを発表してくださいました。平成27年には、さらにイクメンガイドを作成し、男性社員向けのサポートにも着手さする予定だそうです。
後藤さんは一般職で入社し、お二人のお子さまの子育てが一段落してから、総合職に転換されたキャリアをお持ちです。後藤さんからは、現場先行で始めている「キャリアカウンセラー等相談窓口の設置」を発表して頂きました。お客さまサービス部において、社員とキャリアカウンセリングを行い、悩みが大きくなる前に自分自身と向き合い本人に気づいてもらえるようなサポートをしていらっしゃるそうです。
4名の皆さんは、本当に一人一人が笑顔がとても素敵で、「社員のために会社をよくしたい!」という気持ちがバンバン伝わってきました。まさしく、その姿はダイバーシティに本気で取り組む戦隊ヒーローのよう!社会人として、女性として、母として、美しい中に凛とした強さが感じられました!!一般職を経て総合職に転換し、後進たちのリーダーとしてメンターとして活躍される皆さん!この姿こそが、40代50代の女性社員が目指す姿なのでしょう。本当に貴重な発表をありがとうございました。
*グループディスカッション*
主宰者の植田と発表者の金子さんを囲む2つのグループで、グループディスカッションを行いました。その一部をご紹介します。前半では、富国生命の金子さんに、現在一般職から総合職に転換する方の数について質問がありました。いまは総合職に転換する方は年に数名のようです。その理由としては、総合職になるといずれ「営業所長」になることが求められるという点や全国転勤ありということが想定されます。総合職として入った女性の定着率をみても、やはり「営業所長」へのプレッシャーから入社数年で退職してしまう人もいるそうです。若手社員の定着のため、メンター制度を導入している富国生命さま。このような素敵な取り組みを継続していれば、着実に若手が育ち、定着率も上がるだろうと思いました。
後半は、富国生命の竹下さんが力を入れて作成された仕事・子育て応援ガイドを中心に話が進みました。後進へのアドバイス・メッセージとしてどのようなことが書かれているか、どんなかたちでまとめられているかなど、実際の冊子を見せてもらいながら教えてもらいました。その他、男性社員の育児休暇取得について各社の状況を共有したり、育児休職に入る人の代替要員がいるかどうか等、意見交換がなされました。
次回の研究会は、「ダイバーシティ時代の管理職の人間力アップの必要性」と題して、11月24日(火)に開催いたします。たくさんの皆さまのお越しをお待ちしております。
キャリアカウンセラー 川村貴子、株式会社日経BPマーケティング 神田絵梨
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